れんこん
いろいろな食感を楽しめる根菜の代表格
蓮の地下茎、れんこんは、すぐに変色することで知られていますが、ポリフェノールの一種、タンニンを含むためです。また、ビタミンCやB群、カリウム、食物繊維も豊富です。繊維をどう切るかや調理法によって食感が違うので、幅広い調理を楽しめます。穴が開いていることから、見通しの良い食べ物、縁起のよい食べ物としても親しまれています。
1.どんなれんこん選んでる?
皮
色むらや傷がないものを選びます。泥つきもよしです。以前は漂白された白いれんこんが出回っていましたが、黄色または褐色がかった色が本来です。あまり濃い茶色の場合は鮮度が落ちていることも。
太さ
一般的な品種の場合は、ふっくらと厚みがあるもを。色白で細身のものは味がよくありません。
穴
穴の数は通常、中央にひとつ、周りに8〜10個ぐらいあり、穴の大きさが均一なものの方が良品です。穴は、れんこんが育つ上で大切な通気孔の役割をしています。古くなると穴の中が黒ずんでくるので避けて。
切り口
切り口が黒いのはタンニンの作用。収穫してから時間が経ってしまっています。
2.保存&下ごしらえのコツ
乾燥をさせないように要注意
もともと水中に生えていたものですから、乾燥は大敵です。濡らしたキッチンペーパーや新聞紙でくるみ、冷蔵庫の野菜室または冷暗所に保存します。ラップなどでくるむと呼吸ができなくなるので、通気性のあるもので包みましょう。
穴の中の泥はどうする?
穴の中をのぞくと、泥がついていることも少なくありません。菜箸にティッシュを巻きつけるなどして、穴の奥まで差し込み、泥を洗い流しましょう。
火入れの仕方で食感が変わる
高温の湯にサッと湯通しするとシャキシャキした食感になり、70℃ぐらいの弱火にじっくりかけるともっちりとした食感で甘味がでます。煮すぎると粘りが出過ぎておいしさも半減してしまうので、気を付けましょう。
アクを取るなら酢水に漬けて
れんこんは、アクがすぐにまわる食材です。白くきれいにゆで上げたい場合などは、切ったらすぐに酢水に漬けるようにしましょう。
3.品種と旬
れんこん
旬:11月〜3月 / 主な生産地:茨城県、徳島県
日本に古くからあった在来種と明治時代以降に導入された中国種とに大別されますが、現在市場に出回っているほとんどが中国種です。地下茎が浅く、ふっくらと太いので掘り出しやすく、病気に強いので、在来種にかわって主流になりました。中国種は、ふっくらとしていて在来種に比べると粘り気が少なく、シャキッとした食感で肉厚なのが特徴です。備中(びっちゅう)、支那(しな)などの品種があります。
新れんこん
旬:5月〜6月
ハウス・トンネル栽培で早期収獲し、梅雨すぎから出回るものは「新れんこん」と呼ばれています。細く色白で、柔らかく歯ざわりもよいので珍重されます。日持ちがしないので、購入したら出来るだけ早めに調理することが必要です。サラダや炒め物にむいています。
岩国れんこん
旬:10月〜2月 / 主な生産地:山口県
もっちりとした粘りとシャキシャキ感が特徴。8月〜4月まで収穫できます。「糸を引くような粘り、煮込むとホクホク、すりおろしてモチモチ」とした食感が特徴です。輪切りにするとシャッキリと、縦切りにするとモチモチ感が楽しめ、幅広い料理に向きます。
加賀れんこん
旬:8月下旬〜5月中旬 / 主な生産地:石川県
石川県金沢市の伝統野菜。デンプン質が多く肉厚で、粘りがとても強いのが特徴。煮物のほか、すりおろしてだんご汁にしたり、エビなどの具材と混ぜ合わせて蒸し上げる「はす蒸し」などの郷土料理に使用されます。長期的な出荷が可能な品種です。
大口れんこん
旬:10月中旬〜4月下旬 / 主な生産地:新潟県
新潟県長岡市の伝統野菜。一節一節が丸くコロッとしていることから「だるまれんこん」とも呼ばれています。皮をむくと真っ白で、シャキシャキしたきめ細やかな食感をしています。煮崩れしにくいので和食はもちろんのこと、いろいろなメニューで楽しめます。