【夏野菜の栄養解説】無駄なく吸収するための調理テク3つ&おすすめレシピ
「夏野菜」は、からだの調子を整えるビタミンなど、夏を元気に過ごすための栄養素が豊富です。でも、せっかくの栄養素も調理法を誤ると効率的に摂取できない場合があるってご存知でしたか?
今回は、夏野菜の栄養素を引き出す3つの調理のコツを解説。さらに、栄養素を逃さないおすすめメニューとして「カレー」のレシピもご紹介します。まずは、代表的な夏野菜の栄養素からチェックしていきましょう。
目次
栄養たっぷり夏野菜で夏バテを防ぐ
夏は室内外の気温の変化や食生活の偏りによって、体調を崩しやすい季節です。そんな夏にこそ、食べ物からしっかりと栄養を摂ることが大切です。
夏こそ摂りたい栄養素
【ビタミン】ビタミンCやビタミンB2などに代表されるビタミン類は、からだの調子を整える作用があると言われています。夏野菜の多くは、ビタミン類を豊富に含んでいます。
【ミネラル】カリウムやマグネシウムなどに代表されるミネラル類は、体温の調整にかかわる栄養素だと言われています。ミネラル類は発汗によっても失われるので、夏には積極的に摂りたい栄養素の1つです。
代表的な夏野菜と栄養素
トマト |
カリウムを多く含みます。また、赤い皮にはリコピンという成分が含まれます。リコピンは、加熱や油を使った調理で吸収率が高まり、うまみも加熱によって高まります。 |
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ナス |
カリウムを多く含みます。また、紫の皮にはアントシアニンという色素が含まれているので、皮ごと食べるのがおすすめです。 |
ズッキーニ |
カリウムとマグネシウムを多く含みます。また、カロテンやビタミンC、ビタミンB2といったビタミン類も豊富に含まれています。 |
かぼちゃ |
代表的なミネラルであるカリウムを多く含みます。また、カロテンをはじめとしたビタミン類が豊富に含まれています。 |
パプリカ |
夏野菜の中でも特にビタミンCが多く、100gあたりの含有量はレモンの1.5倍、ピーマンの2倍以上(※)。 また、赤いパプリカにはカプサンチン、黄色いパプリカにはゼアキサンチンという色素が含まれています。 |
オクラ |
マグネシウムを多く含みます。また、ペクチンはオクラの粘りのもとになる栄養成分。ペクチンは食物繊維の一種で、腸内環境を整えると言われています。 |
ゴーヤ |
ビタミンCを多く含みます。特に、ゴーヤに含まれるビタミンCは、加熱しても壊れにくい特徴があります。また、ゴーヤの苦味は食欲増進を促すと言われています。 |
ピーマン |
パプリカにこそ劣るものの、ピーマンにも多くのビタミンCやビタミンP、カロテンなどのビタミン類が含まれています。 |
※100gあたりのビタミン含有量:パプリカ(赤ピーマン)170mg、ピーマン76mg、レモン100mg。
夏野菜の栄養を引き出す調理のコツ3つ
夏野菜の栄養を効率よく、無駄なく摂るための調理のコツを3つご紹介。夏野菜メニューの定番「夏野菜カレー」をはじめ、さまざまな料理で活かすことができます。
【調理のコツ①】皮はむかずにそのまま食べる
ナスの皮にはアントシアニンという色素が含まれるように、夏野菜の多くは皮の付近に栄養素が豊富に含まれています。きれいに洗って皮ごと食べるのがおすすめです。
【調理のコツ②】油で調理する
夏野菜は油で調理をすると、カロテンなどの脂溶性ビタミンの吸収率が高まります。ソテーにしたり、揚げたりする食べ方がおすすめ。色味の鮮やかさも保ちやすくなるので、料理の彩りもきれいになります。
【調理のコツ③】加熱は短時間に
夏野菜は加熱時間を短くすることで、ビタミンCなどの栄養素が壊れるのを防ぐことができます。揚げ焼きにすると、比較的短時間の加熱で済むのでおすすめです。
夏野菜をカレーで食べるメリット2つ
夏野菜は「カレー」の具材に使うことで、栄養を引き出しながらおいしくいただくことができます。具体的なメリットを2つ解説します。
【メリット①】ビタミンが効率よく摂れる
夏野菜は、カレーで食べるとビタミンを効率よく摂取できます。カレーにすることで、カロテンなど脂溶性ビタミンの吸収率が高まるからです。
【メリット②】栄養を無駄なく摂れる
カレーなら、使用する具材の栄養を余すことなく摂取できます。夏野菜に豊富なビタミンCなどの水溶性ビタミンは汁に溶けますが、汁ごといただくので栄養の損失が抑えられるのです。
夏野菜の栄養を活かすカレーレシピ3つ
【レシピ①】夏野菜揚げ焼きカレー
トマト、なす、ズッキーニ、かぼちゃ、パプリカと、夏野菜をふんだんに使ったカレー。揚げ焼きなのでビタミンなどの栄養素が壊れにくく、脂溶性の栄養素を効率よく摂取できます。ごろごろとした野菜は食べごたえも抜群!
【レシピ②】夏野菜のスープカレー
トマト、なす、パプリカ、ピーマンなどの夏野菜で作るスープカレー。夏野菜のビタミンは加熱時間を短くすることで壊れにくくなる場合が多く、脂溶性の栄養素の吸収率も高まるレシピです。市販のカレールウで作れるので、是非おためしください。
【レシピ③】野菜たっぷりキーマカレー
トマト、なす、パプリカ、ピーマンの4種の夏野菜を使ったキーマカレー。夏野菜はすべて皮ごと使い、ソテーすることで栄養も逃しません。キーマカレーなら、形がふぞろいでも、それぞれの野菜の食感や、彩りも楽しめます!