トランス脂肪酸とは何ですか。
- トランス脂肪酸とは、油脂を構成する脂肪酸の種類の一つです。
- 油脂は、グリセリン1分子に、脂肪酸が3分子結合して構成されています。
- 脂肪酸は炭素、水素、酸素で構成されています。炭素と炭素が二つの手で結びついた二重結合(不飽和)を一つ以上有するものを不飽和脂肪酸、全く含まないものを飽和脂肪酸といいます。
- 不飽和脂肪酸には、シス型とトランス型があります。シス型、トランス型は二重結合の炭素に結びつく水素の向きで決まります。水素の結びつきが同じ向きになっているほうをシス型といい、互い違いになっているほうをトランス型といいます。このトランス型になった脂肪酸をトランス脂肪酸といいます。
- トランス脂肪酸は、液体状の油脂を固体化するための水素添加という過程で発生する他、単に油脂を精製する過程を経たものでも微量含まれます。天然でも牛や羊などの反芻動物の胃で発生することが知られており、その肉や乳、及びそれらの加工製品にも含まれています。
- 油脂を液体から固体化することで、調理時の計り易さやサクッとした食感作り、さらには貯蔵性及び品質安定性の向上(油脂の劣化防止)など、様々な機能に利用されてきました。
- トランス脂肪酸の作用として、悪玉コレステロール(LDL)を上昇させ、さらに、善玉コレステロール(HDL)を減少させる働きがあるといわれています。また、多大な摂取により、動脈硬化などによる心臓病のリスクを高めるという報告があります。
WHO/FAO合同専門家会議はトランス脂肪酸の摂取量を一日の総エネルギーに対して、1%未満とするよう目標値を定めています。
【関連FAQ】
Q.ハウス食品はトランス脂肪酸の減少に取り組んでいますか。