ヨーロッパのシチュー
シチューは西欧食文化の原点ともいえる料理。ヨーロッパの国々には、さまざまなシチュー=煮込み料理があります。ここではその主なものをいくつかご紹介しましょう。
フランス
コック・オ・ヴァン (雄鶏の赤ワイン煮込み)
コック・オ・ヴァン(coq au vin)はフランス中央山岳地帯・オーヴェルニュ地方の地鶏と赤ワインを使った、世界的に有名な料理。元々は年老いて固くなった雄鶏(coq)を骨付きのまま使ったが、現在は雄鶏に限らず、また若鶏を使うことが多い。
ブフ・ブルギニヨン(ブルゴーニュ風牛肉の赤ワイン煮込み)
赤ワインをたっぷり使って作る、コック・オ・ヴァンと並んでフランスの伝統的、かつ代表的な料理の1つ。元々はワインの産地ブルゴーニュ地方の料理。
カッスーレ(白いんげん豆と肉の煮込み)
フランス中西部・ラングドック地方の代表的な料理で、白いんげん豆と豚・羊などの肉類、白ソーセージなどを煮込んだもの。
イギリス
オックステイル・シチュー
牛の尾のシチュー。煮込むことによって、尾のゼラチンを含んだ「腱」の部分がやわらかくなり煮汁にうまみが溶け出し、より深みのある味に仕上がる。
ラビットシチュー
ジビエの1つ、うさぎの肉のシチュー。
アイルランド
アイリッシュ・シチュー
羊の国・アイルランドの、マトンとじゃがいものシチュー。気候条件のきびしいアイルランドに生きた先人達が生み出した料理。
ドイツ
ルーラーデン
牛肉の薄切り肉で、玉ねぎ、ピクルスなどを巻いて煮込んだ料理。
ソーセージの煮込み
豚肉とクナックヴルスト(ソーセージの一種)とじゃがいもを煮込んだ、ソーセージの国ドイツらしい料理。
ベルギー
カルボナード
べルギービールで牛肉を煮込んだ、ベルギー風シチュー。
ワーテルゾーイ
ベルギー北西部ヘント地方の伝統的家庭料理で、若どりを煮込んで、煮汁に卵黄入りの生クリームを加えてとろみをつけるシチュー。
ハンガリー
グーラッシュ
グーラッシュ( gulyas ハンガリー語)は調味にパプリカを使ったシチューで、ハンガリーなど東欧・北欧でごく一般的な料理。
イタリア
トリッパ
牛の胃袋などをトマト味で煮込んだ料理。
オッソブーコ
仔牛の骨付きすね肉を煮込んだ、イタリアの代表的な煮込み料理。
スペイン
アーモンドと卵黄とサフラン入り鶏肉の煮込み
アーモンドと固ゆで卵の黄身とサフランをピューレにしたものを、煮汁に加えて鶏肉を煮込んだ料理。
やまうずらと野菜にんにく入り煮込み
ジビエの一種・やまうずらを丸ごと使い、じゃがいも・にんじん・小玉ねぎ・にんにくを加えて蒸し煮にした料理。
スウェーデン
カロプス
サワークリーム入り牛肉の煮込み。
ノルウェー
ラム肉とキャベツのキャセロール
ラム肉(子羊の肉)とキャベツを重ねてスープストックを加えてオーブンで蒸し煮した料理。